冬休み特別ワークショップレポート:AIで作る未来の街

2024年冬休みに開催した特別ワークショップ「AIで作る未来の街」の様子をレポートします。 小学3年生から中学2年生までの計18名の生徒が参加し、AIを活用して自分たちが思い描く 未来の街を創作しました。
ワークショップの目的
このワークショップでは、以下の3つの目的を設定しました。
- AIイメージ生成ツールの基本的な使い方を学ぶ
- 自分のアイデアをAIに伝えるためのプロンプト(指示文)の書き方を習得する
- 生成されたイメージをもとに、未来の街のコンセプトを考え、発表する
単にAIに画像を生成させるだけでなく、自分のアイデアを形にするためのツールとして AIを活用する経験を提供することを重視しました。
ワークショップの流れ
1日目:アイデア出しとAIツールの基本
初日は、「未来の街」をテーマにしたブレインストーミングから始めました。 「環境に優しい街」「空飛ぶ車がある街」「水中都市」など、子どもたちから 様々なアイデアが出されました。
その後、AIイメージ生成ツール「KidArt AI」の基本的な使い方を学びました。 安全性を考慮して開発された子ども向けのツールを使用し、簡単なプロンプトで イメージを生成する練習を行いました。
2日目:プロンプトの改良と作品制作
2日目は、より具体的なプロンプトの書き方を学びました。「どんな建物があるか」 「どんな交通手段があるか」「どんな人々が暮らしているか」など、具体的な要素を 盛り込むことで、自分のイメージにより近い画像を生成できることを体験しました。
午後からは、各自が考えた未来の街のコンセプトに基づいて、AIを使って画像を 生成し、それをもとに作品を制作しました。生成された画像に手描きで要素を 追加したり、複数の画像を組み合わせたりと、それぞれ工夫を凝らした作品が 生まれました。
3日目:作品の完成と発表会
最終日は、作品の仕上げと発表会を行いました。各自が自分の作品について、 「どんな街なのか」「どんな特徴があるのか」「なぜそのような街を考えたのか」 を発表しました。
発表後は、お互いの作品について質問や感想を述べ合い、様々な視点から 未来の街について考える機会となりました。
子どもたちの作品紹介
「空中庭園都市」(小学5年生・女子)
高層ビルの屋上や壁面に緑があふれる未来の都市を描きました。 「都会に住んでいても自然を感じられる街にしたい」というコンセプトで、 建物と植物が共存する美しい景観を表現しています。
「海底ドーム都市」(中学1年生・男子)
海面上昇による陸地減少を想定し、海底にドーム型の都市を建設するというアイデア。 ドーム内には公園や学校、住宅があり、海の生き物と共存できる窓や観察デッキも 設けられています。環境問題への意識の高さが感じられる作品でした。
「AIと人間の共存都市」(小学6年生・男子)
人間型ロボットと人間が協力して暮らす街を描きました。 ロボットが重労働を担当する一方で、創造的な仕事や教育は人間が行うという 役割分担が考えられています。AIと人間の関係性について深く考察した作品でした。
ワークショップを通じて見えたこと
今回のワークショップを通じて、子どもたちのAIツールへの適応力の高さを改めて 実感しました。初めて使うツールでも、短時間で基本操作を習得し、自分のアイデアを 形にするために活用する姿が印象的でした。
また、AIが生成した画像をそのまま作品とするのではなく、そこから発想を広げ、 手を加えることで、より独自性のある作品に発展させる創造性も見られました。 AIはあくまでツールであり、創造の主体は子どもたち自身であることを、 彼ら自身が体感できたのではないかと思います。
今後も、AI創造ラボでは、AIを「使いこなす」経験を通じて、子どもたちの創造性や 問題解決能力を育む活動を続けていきます。次回の特別ワークショップは春休みに 開催予定です。詳細は追ってお知らせいたします。
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